私の頭から、『言葉』の形が失われて、開いた唇からは少しの空気しか入らない。


小鳥遊くん、私のこと見てたの?

気にかけてくれたのは嬉しいけど、恥ずかしいよ。



胸が熱くなって小鳥遊くんが見れない。

微炭酸が弾けるように今この瞬間、ドキドキしている。


一拍置き、ゆっくりと探す言葉を見つけて小鳥遊くんへと向けた。


「だいじょーぶ」

「そっか…。昨日さ、都倉さんに会って、目も合ったのに、無視されてショックだった」

「ゴメン。沙耶佳ちゃんといたし、私…気まずくて」


小鳥遊くんから切り出されるとは思ってもなかった。


声を出すと白い息が、空気に混ざって、青と一緒に溶けていく。


外は寒いのに、どうしてか小鳥遊くんの隣は温かくて、心が溶けそうなほど熱いんだ。


こんな気持ちはじめて──…