「みゃー、ご飯だよ」
小さく切ったパンを指に乗せて、食べれるサイズにした。みゃーは美味しそうに食べてくれる。
小鳥遊くんとの会話はない。
ゔ……。なにか話した方がいいのかな。
袋を握る力が、ぎゅっと強まった。息を大きく吸って、考えては頭を整理。
昨日のこと、聞いてみようかな。
でも、その前に私──
「小鳥遊く──…」
「都倉さん体調悪いの?」
「へっ?」
私の呆気ない声が一つ落ちる。
小鳥遊くんは、真面目な顔で探るように伺って。
「朝すぐに教室出て行ったし、今日ずっと気分悪そう」
大きくて、綺麗な瞳が揺れると私を吸い込むように、誘って視線から逃げられない。
たまに低くて、優しくて、甘くて、爽やかな雰囲気の声に心は奪われてく。



