煩いくらいに、心臓がばくばくと跳ねる。
呼吸を整えているうちに、小鳥遊くんから



「おはよう」


と、柔和な挨拶が届いた。

タイミングを見計らって、私はななせ先輩から預かったスマホを小鳥遊くんに渡す。



「小鳥遊くん、おはよう。これ、ななせ先輩から」

「ありがとう」

「ううん。どういたしまして」



たった一言なのに、小鳥遊くんの紡ぐ『ありがとう』にきゅっと胸が高鳴った。


『ありがとう』って言葉、こんなにも温かくて、くすぐったいんだ──…