てっきり小鳥遊くんはクールな男の子だと思っていた。こんな一面もあるんだ…。

今、私の目に映る姿が本当の小鳥遊くんなのかな。


「いつから世話してるの?」

「昨日から」

「そっか」


それだけの短い言葉を交わすと、小鳥遊くんは私の隣に並んでしゃがみ込んだ。

一人分空いた距離に、胸がきゅうっと静かに音を鳴らした。

黙ったままで、何も起きない二人きりの世界。
肌を掠める冷たい風と、鼻をくすぐる冬の空気。

私の視線の行方は、いつの間にか小鳥遊くんを追っていた。

彼の美しい横顔を盗み見て、ゆっくりと外す。

薄い唇を緩ませて、みゃーの顎を撫でる小鳥遊くんに首をゆらりと横に傾けた。そして、また私はみゃーに視線を戻したんだ。


会話のない空気って、いつもなら息苦しく思うけど、今日は苦しくない。


小鳥遊くんの隣は心地いいな──…