「優香?!この人がわかるの?!」

お母さんに肩を揺すられてあたしは、頷く。
瑞山さんはあたしの体を優しく支えながら、近くのソファーに座らせる。

「わかる……??どういうことですか??」

瑞山さんはお母さんとあたしの会話がわからないみたいだった。

「優香は過度のストレスで人に関する記憶を失ったんです。でも、あなたのことは覚えていたの。」

瑞山さんはものすごくびっくりしてて、あたしのほうを見つめる。

「優香に家に来た日以外に会いましたか??」

「会ってませんよ。それより、人に関する記憶を失ったって……。お母さまのことも……??」

「はい。私のことも忘れてしまったようです。」

お母さんの目には涙が浮かんでいた。



覚えてたってことは……







あたしの好きな人は……






瑞山さんだったの……??