あたしの好きな人は先生?!

「何してるんだ?!」

初めて聞く、先生のこんな怖い声。

「田山、お前、ケガないか??」

「ないです。それより、由希子ちゃん放してあげてください。」

あたしの言葉に由希子ちゃんがキッと睨む。

………いい子ぶるなって目で言ってる。

先生は由希子ちゃんを放すとあたし達を見て、

「何があった??」

あたし達は何も言えなかった。

「何にも、ない…です。」
あたしは声を絞り出して言った。

「田山、今から数学準備室に来なさい。とりあえず、中田は帰って頭冷やすこと。」

「はい……………。」

由希子ちゃんは校門まで走って行った。

あたしと先生は無言で階段を上がり数学準備室に入った。