最強乙女と無敵ヤンキー


 「ドコに行くんですか?」

 「俺らの部屋」

 「……ユイさん達の部屋?」

 「喧嘩が強い四強だけの部屋だよ」

 「この学校にはそんな部屋があるんですか」

 「余ってたから勝手に使ってる」



 “それは勝手に占領してると言うのでは?”

 そう思ったが、あえてツッコむのはヤメておいた。学校1であろう人を怒らせるのは賢くない。


 「ココですか?」

 「あぁ」


 1番奥にある教室の前に着くと、ユイさんは扉に鍵を挿し込み、ガラリと音を立てて開いた。


 中を覗けば長テーブルとソファと1人掛けの机が置いてある。パッと見た感じは校長室っぽい。

 しかし、壁にデカデカと飾られた派手な旗が学校らしさを打ち消してる。


 【玄武(げんぶ)白虎(びゃっこ)青龍(せいりゅう)朱雀(すざく)

 中国神話の四神の絵と一緒に描かれた“爆虎”の文字。いかにも暴走族の旗って感じだ。


 「いらっしゃい。いちごちゃん」

 「あ、リマさん」

 「来てくれたんだね」


 廊下から現れたリマさんがニッコリと私に笑い掛ける。入り口で突っ立ってた私の背中を押して教室の中に強制連行。ソファに座るように言われ、素直に従う。