「そんな照れまくって。いったい何を想像しているんですか」
「いや。違う。そうじゃねぇ。そんなんじゃねぇ」
「ユイさんは意外とムッツリ」
「ざけんな。俺はガッツリだ」
「ほほう」
「だから、そうじゃなくて!そこで頷くってことは俺に気があるのかと思ったんだよ」
半ば投げやりに気持ちを確かめるような言葉を投げられ、ふっと小さく笑みを零す。
ユイさんたら不器用な上に照れ屋さんだ。可愛い。
「あるって言ったらどうします?」
「だったら、まぁ……、付き合う?」
「そこのところ、もっとハッキリとお兄ちゃん感が溢れる感じでもう一度お願いします」
「どんなだ。難しいわ」
張り切ってリクエストした私にユイさんは、ぷはっと吹き出した。ケラケラとお腹を抱えて楽しそうに。
「おもしれー。お前のそういうところに惚れたんだよ」
「それはどうもです」
「いちごは?」
「私も好きですよ」
「なら俺の彼女になってくれ」
「はい。もちろん」
素直に頷いた私にユイさんは喜びを頬に描く。学生らしい無邪気な表情だ。きっと他の不良たちはユイさんのこんな顔なんて絶対に知るまい。
「それで?今日は何のおやつがいいんだよ」
「生クリームふわふわのパンケーキがいいです」
「あぁ、あれな。任せろ」
「やった〜」
「狡い〜!俺も食いたい」
「だったら俺も食べたいな」
ガラリとドアが開き、グレさんとリマさんもおやつの話に乗ってきた。ドアの外でコッソリ聞いていたらしい。2人から鬼のようにからかわれ、ユイさんは盗み聞きするなとツッコんでる。
襲撃されるような騒がしい日々に恋のドキドキも追加。これからの私たちの学校生活は更に賑やかなものになりそうだ。
始まった新しい恋を見守るように四神のバッジがキラキラと輝いていた。
【完】



