「……何かお手伝いしましょうか?」
「じゃあ、皿」
「はい」
場所は変わってユイさん家のキッチン。ホットケーキを作るお手伝いをする。
お手伝いと言ってもほんの些細な雑用だけ。洗い物すらもささっと終わらせられてしまって何も手を出せない。
ユイさんってば、めちゃくちゃ手際がいい。慣れてる。
「わ〜!本当に美味しそう」
しかも本当に焼くのも盛り付けも上手い。お店みたいにフルーツで飾りつけられててオシャレ。つい弟たちと一緒になって燥ぐ。
ヤンキー校のトップに立つような不良なのにスキルが意外すぎる。弟たちにも優しいし、ギャップが激しすぎてキュン死しそう。
「ユイさん、モテるでしょう」
「当たり前だろ」
「ですよね」
「お前もモテるだろ」
「いえ。生まれてこの方、男の人からは全く」
「それは言い過ぎだろ」
「本当に。熊を倒した伝説が広く浸透しすぎて地元じゃ誰からも女の子扱いしてもらえませんでした」
「熊?」
肩をガックシ落として話すとユイさんはツボに入ったのかケラケラと笑い始めた。
それはもう尋常じゃないほどの笑いよう。フライ返しを器用に操りながらも、ずっと笑ってる。



