「退いてくれません?」
「あ?絶対に門は潜らせねぇからな」
「そうだ。お前みたいな女が来る場所じゃねぇんだよ」
「帰れ、帰れ」
小学生みたいな台詞をヤクザみたいな声色で言い、私を取り囲む不良たち。
着崩した学ランの下には色違いの派手なティシャツ。髪の色もカラフルだ。何だかちょっと体育祭みたい、なんて集まった不良たちを呑気に見つめる。
ひー、ふー、みー、と数えてみれば全部で7人。女の子相手に7人?悪い不良たちだ……。
これはもう、お仕置きしてあげなければイケないと応戦態勢に入る。
「でも、よく見りゃ可愛くね?」
「だよな。清楚で大人しそうな感じ」
「確かこんな感じのアイドルがいなかったっけ?」
「いたいた。俺、好みだわ。こういう目鼻立ちがハッキリしてる子」
「この学校の制服を着てるってことは生徒じゃねーの?」
「マジ?見逃してた?」
ぞろぞろと私の周りに集まって上から下まで舐めるように観察してくる不良たち。
失礼な上に観察眼がない。誰が大人しいって言ったの?中身は山育ちの暴れ熊だよ。じっちゃん譲りの。
おかげで地元では男の子より女の子にモテてたし、男の子から呼び出されると言えば決まって喧嘩の申し込みだった。
その所為で恋愛知らず。恋みたいなものは時々してたけど。
「おい、てめぇら。この女の見た目に絆されてんじゃねぇ!」
今のところ私を暴れ熊だと見抜いてるのはただ1人。さっきから一際煩い、剃り込み頭の不良君だけだ。
やたらと好戦的で今にも飛び掛ってきそうな勢い。元々、気性が荒いタイプなのかも知れない。



