最強乙女と無敵ヤンキー



 「おい、リマ」

 「あれ?ユイも来てくれたの?」


 ユイさんが声を掛けるとリマさんは柔らかい笑みを浮かべた。でも、いつもの穏やかな微笑みとは違い、目が笑っていない。


 「なんでキレてるんだよ」

 「恐喝してたからね。お仕置き」

 「やり過ぎるなよ」

 「はいはい」


 呆れたようにユイさんが溜め息を吐く。しかし、リマさんはさっさと私からアタッシュケースを受け取ると、中からゴツゴツした指輪っぽいものを取り出した。

 ロープに手錠に警棒、アタッシュケースの中にはいろんな物が入ってる。それらを使ってお仕置きするらしい。


 「さ、行こっか」

 「勘弁してくださいよ!マジで」

 「嫌だね」



 腕を掴んでズルズルと不良君を引きずっていくリマさん。にこやかな顔でやることが悲惨そう。


 「やべぇ。マジでかっちょい!リマさん!」

 「やっぱリマさんだよな?リマさんしか勝たねぇ!」

 「憧れるわ〜」


 去っていくリマさんの背中を見送った不良たちが騒ぎ出す。彼らからするとリマさんは不良界隈のカリスマらしい。よく見ると髪型とかも真似してる。

 そんな騒ぎ声の中。

 “彼だけは怒らせてはイケない”

 そう私は心に誓った。