最強乙女と無敵ヤンキー



 「いーちご」


 放課後の教室の廊下側の窓際。グレさんが窓から顔を覗かせて私を呼ぶ。

 グレさんブチギレ事件がから更に1週間。私から投げ飛ばされてからというものの、グレさんはすっかり気を許した様子で話しかけてくる。

 彼は自分より強い者をリスペクトする主義らしい。当初の私を嫌がってた姿からは想像もつかない変わりよう。別人みたい。



 「こんにちは。グレさん」

 「今日、このあと暇?」

 「はい。まぁ」

 「じゃあ、四強の部屋に寄っていきなよ」

 「あのお部屋に?」

 「おやつがある」


 曇りなく笑い、グレさんは指で私を手招いた。絶世の美青年から放たれる瞬落としスマイル。周りの男子たちまでざわめく。


 しかし、本人は気にせずカステラとかバームクーヘンとかあるよって楽しそう。甘いものが好きなのかな?よくキャンディを食べてるし。


 「ありがとうございます。どちらも好きだから嬉しいです」

「そ?じゃあ、行こ」


 お礼を言うとグレさんは私の肩に腕を回して歩き出した。いかにも仲良しの友達って感じに。

 
 周りの視線が気になったが、振り払うのも気が引けてされるがまま。グレさんの後を素直に付いていく。


 廊下を通って四強の教室の扉を開けると中には既にユイさんの姿があった。一緒に現れた私たちの姿を見て不思議そうな顔をしている。