ないものねだり


私はよく愛嬌のある顔と言われる。

よく機嫌をうかがい、なるべく周りに嫌われないように、

自分を隠す性格だった。

身長は少し伸びたけど、平均より低め。

小学5年生から綺麗に伸ばした胸下までの黒髪。

たぶん雰囲気はその時は少しだけ、他の子たちよりは大人びてたかな。


中学校につき、駐輪場に行くとまばらに自転車が止まっていた。

自転車を置き、教室に向かう途中ドキドキした。

入学式に顔を合わせたけど、止まらなっかった。

教室に入ると、私と同じ真新しい制服を着た生徒がこちらをチラッとみた。



「おはよう」



と、私は消え入りそうな声を出した。

生徒たちもまばらに”おはよう”と返してくれた。

私の席は五十音順の右後ろ。

廊下から近い場所だった。