ないものねだり



朝食を済ませ、鏡に写るまだ見慣れないセーラー服に

少しでも可愛く見られたいと思う、むず痒い気持ちを

なるべく顔に出さずに、カバンを持った。


施設から学校までは自転車で20分。

自転車に跨り、見慣れない景色を進んでく。

私が通う中学は、小学校の友達が1人もいなかった。

小学校の近くに中学校がなかったから。

小学校のみんなはその先の中学校に通っている。

そうすると学区が変わり私たちは一番近い中学校に行かなければならない。

小学校時代に仲の良い友達がいれば、離れるのが寂しくなるのだろうけど、

私は、施設のことが知れ渡っている小学校の苦い思い出を忘れられなっかった。



”新しい友達できるかな…”