ないものねだり


「何笑ってんだよ!!」


敦も私につられ、いつもの笑顔に少し戻り言ってくる。


「ごめん笑、なんか、なんか、顔がおもしろくて、、、笑」


悩んでたのが噓みたい。

こんなにも敦といると楽しいのに。

私はまだ、あの緊張した敦の顔が忘れられずに、笑いを耐えながら言った。


「付き合って…みようかなって思ってるよ笑
敦といると楽しいし。だから…これからもよろしくね。」


そう言うと次は、敦の顔がみるみる赤くなる。

それを隠すように敦はしゃがみ込んだ。


「あぁ~!!よかったぁ~!!絶対振られると思ってたぁ~。」


敦も沢山悩んでたんだろうね…。

付き合えなくても友達に戻れるか、いつものように話せるか…。

それがあの緊張した顔。

思い出すとまたおもしろくなって笑ってしまった。

敦は笑ってる私を見上げながら、


「お前調子乗んなよ。」


と立ち上がり、私のほっぺをつねる。


「い、、、いひゃい、、、笑」


すぐ近くに敦の顔がある。

敦はつねった手で私の頬を撫でた。

途端に顔が熱くなる。


「沙矢は気づいてないかもだけど、俺入学したてから結構沙矢の事好きだったんだよな。
いつも遅刻でドタバタ廊下走ってたり、