ないものねだり


いつもと同じ朝。

違うのは、昨日合ったことが頭の半分以上を占めてること。

結局何も考えられなかった。

いつものように髪をポニーテールにする。

髪を結ぶ事にもなれてきた。

入学した当初より短くなったプリーツのスカート。

鏡に映る自分は昨日より少し大人に見えた気がした。


学校に向かう途中の十字路には敦はいなかった。


昨日あんな感じで帰っちゃったし、当たり前か…。

チクンと胸が痛くなった。


学校につきクラスに入ると、希羅と楓はもう来ていた。

着くなり両肩を2人につかまれ、半ば強引に廊下に出される。