ないものねだり


施設に着いて、なるべくいつものように過ごした、

誰にも今日合った事に踏み込んで欲しくなくて…。


毛布に包まった時、やっと解放された気がした。


心臓が高く鳴っていく。


”いつから好きになったんだろう”


敦のことは好きだった。

そういう好きじゃなくて、友達としての好きという気持ち。

壊れるのがこわかった。

一緒にする登校も、昼休みに話している時も、教科書を借りる時のやり取りも、

他にもたくさんある。


その全部が好きだった。


考えているといつの間にか眠気に襲われた…。