ないものねだり


ある時希羅から、ケータイ小説の文庫本を借りた。

恋愛に全く興味のない私は、胸焼けしながら読んでた記憶がある。

読み終えるたびに新しい本を持ってくる希羅。


「野いちごも、魔法のiらんどもあるよ♪」


最近の女子生徒の間では、ケータイ小説が流行っている。

私も楓も恋愛小説は読まない。

楓とは小説の趣味が合っていた。

ただ楓とは頭の作りが違うから、本が好きでも漢字は一切覚えれなかった。


「何のために読んでるの?」


潰れたカエルを見るような目で見られ、小馬鹿にされていた。