ないものねだり


チャイムと同時にバタバタと廊下を走る。


なんだか楽しかった。

テレビで憧れた学生って感じで。


移動した教室には私たちを見て笑って座っているみんなと、

ため息をついた先生。


「……どうせまた沙矢さんでしょ??」


先生が失笑しながらこっちに来る。



「沙矢の引き出しが闇鍋でした。昼休み片づけさせます。」


と楓。

私と希羅はというと走って息の上がった肩を揺らしながら、

崩れた前髪を手で直していた。