ないものねだり


うらやましかった。

自分の思ったことを口に出せる貴方が。

貴方と出会えて、私は初めての友達を知れたよ。


でも貴方が抱えてた、重くて暗い物はその時の私は知らなかった…。

貴方も先の見えない道が不安だったんだね……。






私たち2人はいつも一緒にいた。

この時中学1年の中で一番かわいいと言われていた希羅と、

恥ずかしいながらもその一員と言われていた私と、

その後仲良くなった、楓(かえで)。

私たちは3人グループだった。

喧嘩をすることなんかなかった。

施設の話もした。

希羅は


「しょうがないよ。親は選べないから。」


「私は分かってあげられるよ」



と、親身になって言ってくれた。