アオハル・サーキュレーター





「ちなみになんですけど、他にはどういった裏稼業があるんですか? 俺、新人なもんで」


「それはまあ、追々わかっていくんじゃないかな?」プーッとクラクションが鳴った。


「ほら、お姫様がお怒りだ。さ、早く」


俺はカツさんの優しい促しと、ヤヨイからの「早く乗れよウスノロ!」という怖い叱責を受けて、助手席に乗り込んだ。


すると、すぐに車は大きく旋回し、カツさんの板金工場を跡に、走り出した。


「……昨日の300万、もう使い果たしちゃったんだね」


「そんなもんだ。ヤーさんってのは暴対のせいで今はどこもカネがないからな」


「ボウタイ?」


「暴対法だよ、バーカ」


よくわからないけど、とにかくヤクザというものは、なかなか今、厳しいらしい。跡を継ぐ気はさらさらなかったけど、改めて継がなくて正解だったのかもしれない。