アオハル・サーキュレーター





玄関を開けると、炊き込みご飯のにおいがした。


「今朝、実家から送られてきたんだよね、炊き込みご飯の素」


「炊き込みご飯の素」14インチの重たいノートPCが入ったカバンをソファーの横に置き、ミツの言ったことを反芻した。


「なんでわざわざ炊き込みご飯の素?」


「私も知らなかったんだけど、なんか有名なんだって。鯛めし」


「魚はあんまり好きじゃないんだけどな」


ソファーにどっかりと座って、すぐに靴下を脱ぐ。そして、ガラステーブルの下に足で軽く蹴る。