色褪せて、着色して。~リリアン編~

 全身黒っぽい服装を着ている男は、何者なのか?
「あの、改めて。私…隣国のスカジオン王国から来ましたマヒルって言います」
「うん、知ってる」
 男は、どさっと音を出して椅子に座り込んだ。
 やっぱり…違和感は確信へと変わろうとしている。
 男は姿勢を正しくして座ったかと思えば。
 こっちを見た。
「俺は、ヒサメ」
「ヒサメ…様?」
 どこかで、聞いたことがあるような・・・

「いつも、妻がお世話になっています」

 薄暗い中、見せた男…ヒサメ様の笑顔は。
 あまりにも作り笑顔で、ぞっとしてしまった。