『じゃあお言葉に甘えてもいいかな?』
「勿論です。和食屋さんですが、
嫌いじゃなければですが。」
『和食か、いいね。
一人暮らしだと寧ろそういうお店の
方がありがたいかな。
ここから近い?車で来てるから
そのまま送るよ。』
一人暮らしなんだ‥‥。
年齢的にも結婚しててもおかしくないし
この見た目なら相当モテるはずなのに
一人暮らしと聞いて逆に驚く。
「ここから地下鉄で10分くらい
ですが、お車でしたら電車でまた
ここまで戻られるのはかなり
面倒だと思うので、
今日だけ案内がてら車で行きますか?
なんか寧ろ私の方こそ提案を
しておきながら乗せてもらう形で
すみません。」
ペコっと頭を下げると、
穏やかな顔で笑われてしまい、
そういうよこしまな感情がないにしろ、
笑顔にノックアウトしそうになる。
この顔はこの顔でなんだか生き辛い
だろうなとも思うけど‥‥
エレベーターで地下まで一緒に降りると
黒のラ◯グラーとのツーショットに
苦笑いが出てしまいつつも後部座席の
ドアを開けさせていただいた。
イケメンは車もやはりいい車に
乗ってるしよく似合ってる。
『新名さん、前に座って?
その方が案内が分かりやすいし。』
「いえいえ、そういうのは遠慮します。
後ろからでもしっかり案内しますから
安心してください。」
頭を下げてから乗り込むと、
シートベルトを付けていた私の元に
前から笑い声が届いた
えっ?
何かおかしなことをした?
薄暗いから主任の表情はあまり見えない
けれど、バックミラー越しに目が合い
一瞬ドキッとしてしまう
『新名さんは真面目なんだね‥‥
では案内よろしくお願いします。』
真面目‥‥ではないと思う‥‥。
ただなんとなく助手席に座るのって
それなりに勇気もいるし、主任に
そういう相手の方がいたら悪いなって
思っただけ。
ガラガラ
『いらっしゃいませ。』
あっという間に定食屋さんに到着し、
近くのコインパーキングに車を停めた後
暖簾をくぐり引き戸を開けた。
『なんや、さっちゃんやん。お帰り。』
「ただいま。今日は上司を
連れてきたからカウンターじゃなく
テーブルでもいい?」
『まぁ!えらいカッコいい人やね。
空いてる席に座ってええよ。』
真っ白の三角巾を頭に巻いた千代さん
が主任を見上げて驚きつつも、いつもの
ほっこりする笑顔を見せてくれた
『さっちゃんおかえり。』
「ただいま。」
カウンターの向こうにいた千代さんの
旦那さんでもあり、
ここ【キッチンむらせ】
の店主の修(しゅう)さんに軽く手を挙げ挨拶をした後、主任をテーブル席に
案内した。
『お店の人と仲がいいんだね。』
「あっ‥ここは学生の時のバイト先の
一つなんです。千代さんも修さんも
親みたいな感じですから。」
「勿論です。和食屋さんですが、
嫌いじゃなければですが。」
『和食か、いいね。
一人暮らしだと寧ろそういうお店の
方がありがたいかな。
ここから近い?車で来てるから
そのまま送るよ。』
一人暮らしなんだ‥‥。
年齢的にも結婚しててもおかしくないし
この見た目なら相当モテるはずなのに
一人暮らしと聞いて逆に驚く。
「ここから地下鉄で10分くらい
ですが、お車でしたら電車でまた
ここまで戻られるのはかなり
面倒だと思うので、
今日だけ案内がてら車で行きますか?
なんか寧ろ私の方こそ提案を
しておきながら乗せてもらう形で
すみません。」
ペコっと頭を下げると、
穏やかな顔で笑われてしまい、
そういうよこしまな感情がないにしろ、
笑顔にノックアウトしそうになる。
この顔はこの顔でなんだか生き辛い
だろうなとも思うけど‥‥
エレベーターで地下まで一緒に降りると
黒のラ◯グラーとのツーショットに
苦笑いが出てしまいつつも後部座席の
ドアを開けさせていただいた。
イケメンは車もやはりいい車に
乗ってるしよく似合ってる。
『新名さん、前に座って?
その方が案内が分かりやすいし。』
「いえいえ、そういうのは遠慮します。
後ろからでもしっかり案内しますから
安心してください。」
頭を下げてから乗り込むと、
シートベルトを付けていた私の元に
前から笑い声が届いた
えっ?
何かおかしなことをした?
薄暗いから主任の表情はあまり見えない
けれど、バックミラー越しに目が合い
一瞬ドキッとしてしまう
『新名さんは真面目なんだね‥‥
では案内よろしくお願いします。』
真面目‥‥ではないと思う‥‥。
ただなんとなく助手席に座るのって
それなりに勇気もいるし、主任に
そういう相手の方がいたら悪いなって
思っただけ。
ガラガラ
『いらっしゃいませ。』
あっという間に定食屋さんに到着し、
近くのコインパーキングに車を停めた後
暖簾をくぐり引き戸を開けた。
『なんや、さっちゃんやん。お帰り。』
「ただいま。今日は上司を
連れてきたからカウンターじゃなく
テーブルでもいい?」
『まぁ!えらいカッコいい人やね。
空いてる席に座ってええよ。』
真っ白の三角巾を頭に巻いた千代さん
が主任を見上げて驚きつつも、いつもの
ほっこりする笑顔を見せてくれた
『さっちゃんおかえり。』
「ただいま。」
カウンターの向こうにいた千代さんの
旦那さんでもあり、
ここ【キッチンむらせ】
の店主の修(しゅう)さんに軽く手を挙げ挨拶をした後、主任をテーブル席に
案内した。
『お店の人と仲がいいんだね。』
「あっ‥ここは学生の時のバイト先の
一つなんです。千代さんも修さんも
親みたいな感じですから。」



