その後、片付けまで手伝ってくれた
主任に玄関で改めてお礼を伝えた
『休みの日に新名と過ごせるとは
思ってなかったから楽しかったよ。
ゆっくり休んだらまた来週から
仕事だな。またご飯にでも行こう。』
「はい‥‥ご飯楽しみです。
酒向さんもゆっくり休んでください。
それじゃあ‥‥お気をつけて‥」
帰り際に頭に触れた大きな手に
心臓が大きく揺れ動くも、動揺しない
ように笑顔で見送ると、ドアを閉めた
途端にその場に座り込んでしまった
苦しいな‥‥‥
こんな気持ちは10年前に閉じ込めて
来たはずなのに、今になってまたこの
苦しさが押し寄せてツラい‥‥。
何かを糧に頑張らないと、自分を
見失いそうで怖くてたまらない‥‥。
今までだってそうしてきたじゃない‥。
私は1人でも生きていけるって。
それなのに‥‥先程までの主任の
優しさや笑顔が浮かび涙がまた溢れる
私からは近づく事はない主任との距離。
だからさっきみたいに歩み寄られると、
どう逃げればいいか戸惑う
「‥っ」
嗚咽を堪えながら両手で口元を押さえ、
誰にもぶつけられない苦しい感情に
耐えることしか出来ない‥‥。
酒向さん‥‥
やっぱり私はあなたのように
温かい人の側はツラいかもしれません
本当の私を唯一見つけてくれた
人に出会えただけでも凄いのに、
酒向さんの力に少しだけなれていたなら
奇跡のようにも思える。
友達になってくださって本当に
嬉しかった‥‥これだけは嘘じゃない。
もし私があの日から生きてきたとしたら
あなたに会う為だったのかもしれない。
もし違ったとしても、今だけはそう
思いたい‥‥。
「ヒック‥‥‥ウッ‥‥ウウ‥‥」
外はとても温かく気持ちのいい風が
また私の頬をかすめていく‥‥
泣き腫らした目で晴れ晴れとした
露草色の青空を見上げ、
もうここにはいない紗英を想う。
10年前のあの日からずっと‥‥。
主任に玄関で改めてお礼を伝えた
『休みの日に新名と過ごせるとは
思ってなかったから楽しかったよ。
ゆっくり休んだらまた来週から
仕事だな。またご飯にでも行こう。』
「はい‥‥ご飯楽しみです。
酒向さんもゆっくり休んでください。
それじゃあ‥‥お気をつけて‥」
帰り際に頭に触れた大きな手に
心臓が大きく揺れ動くも、動揺しない
ように笑顔で見送ると、ドアを閉めた
途端にその場に座り込んでしまった
苦しいな‥‥‥
こんな気持ちは10年前に閉じ込めて
来たはずなのに、今になってまたこの
苦しさが押し寄せてツラい‥‥。
何かを糧に頑張らないと、自分を
見失いそうで怖くてたまらない‥‥。
今までだってそうしてきたじゃない‥。
私は1人でも生きていけるって。
それなのに‥‥先程までの主任の
優しさや笑顔が浮かび涙がまた溢れる
私からは近づく事はない主任との距離。
だからさっきみたいに歩み寄られると、
どう逃げればいいか戸惑う
「‥っ」
嗚咽を堪えながら両手で口元を押さえ、
誰にもぶつけられない苦しい感情に
耐えることしか出来ない‥‥。
酒向さん‥‥
やっぱり私はあなたのように
温かい人の側はツラいかもしれません
本当の私を唯一見つけてくれた
人に出会えただけでも凄いのに、
酒向さんの力に少しだけなれていたなら
奇跡のようにも思える。
友達になってくださって本当に
嬉しかった‥‥これだけは嘘じゃない。
もし私があの日から生きてきたとしたら
あなたに会う為だったのかもしれない。
もし違ったとしても、今だけはそう
思いたい‥‥。
「ヒック‥‥‥ウッ‥‥ウウ‥‥」
外はとても温かく気持ちのいい風が
また私の頬をかすめていく‥‥
泣き腫らした目で晴れ晴れとした
露草色の青空を見上げ、
もうここにはいない紗英を想う。
10年前のあの日からずっと‥‥。



