フッと綺麗な顔で笑う主任に苦笑いで
笑みを返すと、デスクの上を片付けて
パソコンの電源を落とした。
主役がこの時間まで残って仕事なんて、
みんな知ってるんだろうか‥‥。
いつまで経ってもこない主任に、
幹事の成瀬さんが慌てている姿を
想像してしまう
『店の場所分かる?』
「はい、歩いて行けるので近いです。
早く行かないとみんな待ってますよ」
エレベーターに乗り込み一階に降りると
2人で並んで歩きながらお店に向かった
『あの日ぶりだな。こうして歩くの。』
あの日?
ああ‥‥むらせに行った時の事か‥。
「そうですね。スーパーとか見つけ
ました?私は週2でむらせ、デパ地下
惣菜に頼りながら自炊してます。
酒向さんはご飯作ります?」
信号待ちをしている間に、春の夜風が
サーっと肌をかすめ気持ちがいい‥
案内するとか言っておきながら、
【むらせ】以外何も教えて
あげれていない。
『自炊はするよ。これでも体には
気を遣ってるからね。』
「すごいですね。仕事も出来て、
料理が出来るなんて羨ましいです。
しかもオシャレで美味しそうなの
作りそうですし。」
『なんだそれ‥普通だよ。
彼女に教えてもらったレシピが
多いけどな‥‥。』
「そうなんですね、それは絶対美味しい
はずです。」
『今度家に食べにくる?』
は?
いやいや‥‥今彼女いるってその口で
言ったのに家に呼んじゃダメでしょう?
友達宣言してるからいいというものでは
ないし、主任のプライベートにそこまで
入り込みたくない
「酒向さんモテるんですから、
そんな事言われたら女子はみんな
家に来ちゃいますよ?彼女さんが
いるなら自重されて下さい。」
私はそういう気持ちにならないから
いいとしても、私以外はそうはいかない
はず。
こんな顔面偏差値でスタイルも良しな
人に誘われたら誰だって勘違いして
しまうと思う
「あ、そこの角を曲がったら店が
ありますよ。」
『彼女はいないよ。』
「えっ?でも今‥彼女に教えてもらった
って‥‥。」
立ち止まる主任が少しだけ切ない
表情で笑うと心臓が何故かドクンと
はねた。
『彼女は‥‥5年前に亡くなってね。』
えっ‥‥‥ッ‥嘘‥‥‥
笑みを返すと、デスクの上を片付けて
パソコンの電源を落とした。
主役がこの時間まで残って仕事なんて、
みんな知ってるんだろうか‥‥。
いつまで経ってもこない主任に、
幹事の成瀬さんが慌てている姿を
想像してしまう
『店の場所分かる?』
「はい、歩いて行けるので近いです。
早く行かないとみんな待ってますよ」
エレベーターに乗り込み一階に降りると
2人で並んで歩きながらお店に向かった
『あの日ぶりだな。こうして歩くの。』
あの日?
ああ‥‥むらせに行った時の事か‥。
「そうですね。スーパーとか見つけ
ました?私は週2でむらせ、デパ地下
惣菜に頼りながら自炊してます。
酒向さんはご飯作ります?」
信号待ちをしている間に、春の夜風が
サーっと肌をかすめ気持ちがいい‥
案内するとか言っておきながら、
【むらせ】以外何も教えて
あげれていない。
『自炊はするよ。これでも体には
気を遣ってるからね。』
「すごいですね。仕事も出来て、
料理が出来るなんて羨ましいです。
しかもオシャレで美味しそうなの
作りそうですし。」
『なんだそれ‥普通だよ。
彼女に教えてもらったレシピが
多いけどな‥‥。』
「そうなんですね、それは絶対美味しい
はずです。」
『今度家に食べにくる?』
は?
いやいや‥‥今彼女いるってその口で
言ったのに家に呼んじゃダメでしょう?
友達宣言してるからいいというものでは
ないし、主任のプライベートにそこまで
入り込みたくない
「酒向さんモテるんですから、
そんな事言われたら女子はみんな
家に来ちゃいますよ?彼女さんが
いるなら自重されて下さい。」
私はそういう気持ちにならないから
いいとしても、私以外はそうはいかない
はず。
こんな顔面偏差値でスタイルも良しな
人に誘われたら誰だって勘違いして
しまうと思う
「あ、そこの角を曲がったら店が
ありますよ。」
『彼女はいないよ。』
「えっ?でも今‥彼女に教えてもらった
って‥‥。」
立ち止まる主任が少しだけ切ない
表情で笑うと心臓が何故かドクンと
はねた。
『彼女は‥‥5年前に亡くなってね。』
えっ‥‥‥ッ‥嘘‥‥‥



