『慧‥‥どうしたの?』
嘘‥‥‥紫乃さんまで!?
何処を見ていいかも分からないし、
足が地について離れず、言葉が何も
出てこない。
『‥‥あなた‥‥どうしてここに‥』
「あ‥‥私‥‥」
どうしよう‥‥息が上手く‥出来な‥‥
『おい‥‥何突っ立てんだよ。
ここを早く片付けろ。』
凪‥‥
頭をコツンと小突かれると、急に空気が
肺に入り、大きく呼吸が出来、後ろに
立つ姿に不思議と安心感を抱く
「ごめっ‥す、すぐやるから‥‥。
驚かせてしまい申し訳ありません。」
2人の視線を感じながらも、頭を下げて
割れた鉢の欠片を集める
『‥‥お客様ですよね。
中は自由に見ていただいて構いません
のでどうぞ。』
『はい‥‥ありがとうございます。
慧、行こう?』
『あ‥‥ああ‥‥』
日除けの帽子を深く被ると、
2人に背を向けたままずっと
上を向くことができなかった‥‥‥
酒向さん‥‥‥
最後に見る顔は笑顔で終わっていたのに、さっき私を見つめる顔がとても
悲しそうで、改めて傷つけてしまって
いたことに胸が苦しくなる
どうして2人がこんな遠く離れた
静岡にいるのかなんて分からない‥‥
それでもここにいることがバレて
しまったことには変わりない‥‥
ほんとにどうしよう‥‥‥
お店に戻れない‥‥‥
『皐月』
「‥ッ‥凪‥‥ごめん‥‥鉢植え1つ
ダメにしちゃって‥ッ」
パチン
『お前はどうしたい?』
えっ?
座り込む私に目線を合わせるように
同じように腰を下ろすと、俯く私の
頬を両手で叩かれ上を向かされた
叩かれたところは熱いのに、
ヒンヤリとした冷たい手に包まれ、
切れ長の瞳が真っ直ぐと私に向けられ、
しっかりしろと言っている
仕事中なのに‥‥私情でこんな風に
なってるなんて最悪だ‥‥‥。
相手が誰であれ、同じように接客
しないといけないのに、これでは
叱られても仕方ない
「ん‥‥お店に戻る。」
一筋溢れた涙が凪の手を伝うと、
自分の服の袖で私の目元を押さえてくれ
た後、手を引かれて立たされた
凪の行動は決して優しいとは言えない
かもしれないけど、いつも助けず
自分の力で立ち上がらせてくれる
『それなら早く戻れ。
俺は工房にいるから。』
「うん‥‥ありがとう。」
『それ‥給料から天引きな。』
「‥‥‥うん。」
隅に集められた鉢を指差すと、
腕組みをしてから私を見て
小さくフッと笑った。
逃げてちゃダメだ‥‥‥。
自分がした事の大きさと向き合わないと
私は何も変われない。
嘘‥‥‥紫乃さんまで!?
何処を見ていいかも分からないし、
足が地について離れず、言葉が何も
出てこない。
『‥‥あなた‥‥どうしてここに‥』
「あ‥‥私‥‥」
どうしよう‥‥息が上手く‥出来な‥‥
『おい‥‥何突っ立てんだよ。
ここを早く片付けろ。』
凪‥‥
頭をコツンと小突かれると、急に空気が
肺に入り、大きく呼吸が出来、後ろに
立つ姿に不思議と安心感を抱く
「ごめっ‥す、すぐやるから‥‥。
驚かせてしまい申し訳ありません。」
2人の視線を感じながらも、頭を下げて
割れた鉢の欠片を集める
『‥‥お客様ですよね。
中は自由に見ていただいて構いません
のでどうぞ。』
『はい‥‥ありがとうございます。
慧、行こう?』
『あ‥‥ああ‥‥』
日除けの帽子を深く被ると、
2人に背を向けたままずっと
上を向くことができなかった‥‥‥
酒向さん‥‥‥
最後に見る顔は笑顔で終わっていたのに、さっき私を見つめる顔がとても
悲しそうで、改めて傷つけてしまって
いたことに胸が苦しくなる
どうして2人がこんな遠く離れた
静岡にいるのかなんて分からない‥‥
それでもここにいることがバレて
しまったことには変わりない‥‥
ほんとにどうしよう‥‥‥
お店に戻れない‥‥‥
『皐月』
「‥ッ‥凪‥‥ごめん‥‥鉢植え1つ
ダメにしちゃって‥ッ」
パチン
『お前はどうしたい?』
えっ?
座り込む私に目線を合わせるように
同じように腰を下ろすと、俯く私の
頬を両手で叩かれ上を向かされた
叩かれたところは熱いのに、
ヒンヤリとした冷たい手に包まれ、
切れ長の瞳が真っ直ぐと私に向けられ、
しっかりしろと言っている
仕事中なのに‥‥私情でこんな風に
なってるなんて最悪だ‥‥‥。
相手が誰であれ、同じように接客
しないといけないのに、これでは
叱られても仕方ない
「ん‥‥お店に戻る。」
一筋溢れた涙が凪の手を伝うと、
自分の服の袖で私の目元を押さえてくれ
た後、手を引かれて立たされた
凪の行動は決して優しいとは言えない
かもしれないけど、いつも助けず
自分の力で立ち上がらせてくれる
『それなら早く戻れ。
俺は工房にいるから。』
「うん‥‥ありがとう。」
『それ‥給料から天引きな。』
「‥‥‥うん。」
隅に集められた鉢を指差すと、
腕組みをしてから私を見て
小さくフッと笑った。
逃げてちゃダメだ‥‥‥。
自分がした事の大きさと向き合わないと
私は何も変われない。



