『今日はゆっくり休みなさい。
明日また家まで送っていくよ。』
「‥‥ん‥‥お父さん‥ありがとう。」
点滴を繋いでくれたあと、私のスマホを
枕元に置き、小さくため息を吐いた
『何度も着信があったから、事情を
説明しておいた。ここにも来ないから
安心しなさい。』
えっ?
それだけ言うとお父さんは病室から
出て行ってしまい、慌ててスマホを
手に取ると、着信の多さとメールに
また涙が出そうになった
心配をかけてしまったに違いない‥‥
黙って帰ってしまったし、
家にも帰って居ないんだから‥‥
でも‥‥‥あの綺麗な人は?
私とは違って、白いワンピースから
のぞく細い手足や、可愛らしい
顔立ちが目に浮かぶ
返信しないといけないのに、
今、酒向さんの声を聞いたら、
泣かずに話す自信がない‥‥
‥‥‥思っても見ない状況に、
こんな事になるなら、あのまま
上司と部下のままで居た方が良かったと
思ってしまう。
あんな運命の再会のような場面を
目の当たりにして、あの場から
逃げ出さずに居られる人なんて
きっと居ない‥‥‥
ううん‥‥‥。
違うな‥‥‥‥きっと自信があれば、
逃げ出さなかったのかもしれない‥
私は、自分の足で逃げて、
目の前の人を信じることが出来なかった
だけなんだ‥‥‥
こんな気持ちを知る前に戻りたい‥‥
いつもそうだ‥‥‥。
手術が終わった時も、あの日に戻りたい
って願って生きてきた。
結局‥‥前に進めたと思っていたのに、
何も変われていなかったんだね‥‥
その日はスマホの電源を落とすと布団を
頭から被り、あすおとずれるかもしれない別れに声を殺して泣き続けた。
『紗英‥‥本当に大丈夫だね?』
「うん、また食料品を沢山買って
もらっちゃったね。
心配かけてごめんなさい。」
『親は子を心配するものだ。
いつでも連絡しなさい。』
「うん‥‥」
マンションまで送ってくれたお父さんの
車が見えなくなるまで見送ると、荷物を
持って部屋に向かった
ガチャ
「ふぅ‥‥窓開けないと‥‥」
部屋の窓を全て開けると、暑いなりにも
気持ちのいい風邪が部屋に流れ込み、
荷物を片付けた後、植物の自動水やり器
の減り具合を見てお手入れをした。
ドサッ‥‥
ここはこんなに静かだったかな‥‥
ベッドに仰向けに眠ると、誰もいない
当たり前の空間に違和感を覚える
明日また家まで送っていくよ。』
「‥‥ん‥‥お父さん‥ありがとう。」
点滴を繋いでくれたあと、私のスマホを
枕元に置き、小さくため息を吐いた
『何度も着信があったから、事情を
説明しておいた。ここにも来ないから
安心しなさい。』
えっ?
それだけ言うとお父さんは病室から
出て行ってしまい、慌ててスマホを
手に取ると、着信の多さとメールに
また涙が出そうになった
心配をかけてしまったに違いない‥‥
黙って帰ってしまったし、
家にも帰って居ないんだから‥‥
でも‥‥‥あの綺麗な人は?
私とは違って、白いワンピースから
のぞく細い手足や、可愛らしい
顔立ちが目に浮かぶ
返信しないといけないのに、
今、酒向さんの声を聞いたら、
泣かずに話す自信がない‥‥
‥‥‥思っても見ない状況に、
こんな事になるなら、あのまま
上司と部下のままで居た方が良かったと
思ってしまう。
あんな運命の再会のような場面を
目の当たりにして、あの場から
逃げ出さずに居られる人なんて
きっと居ない‥‥‥
ううん‥‥‥。
違うな‥‥‥‥きっと自信があれば、
逃げ出さなかったのかもしれない‥
私は、自分の足で逃げて、
目の前の人を信じることが出来なかった
だけなんだ‥‥‥
こんな気持ちを知る前に戻りたい‥‥
いつもそうだ‥‥‥。
手術が終わった時も、あの日に戻りたい
って願って生きてきた。
結局‥‥前に進めたと思っていたのに、
何も変われていなかったんだね‥‥
その日はスマホの電源を落とすと布団を
頭から被り、あすおとずれるかもしれない別れに声を殺して泣き続けた。
『紗英‥‥本当に大丈夫だね?』
「うん、また食料品を沢山買って
もらっちゃったね。
心配かけてごめんなさい。」
『親は子を心配するものだ。
いつでも連絡しなさい。』
「うん‥‥」
マンションまで送ってくれたお父さんの
車が見えなくなるまで見送ると、荷物を
持って部屋に向かった
ガチャ
「ふぅ‥‥窓開けないと‥‥」
部屋の窓を全て開けると、暑いなりにも
気持ちのいい風邪が部屋に流れ込み、
荷物を片付けた後、植物の自動水やり器
の減り具合を見てお手入れをした。
ドサッ‥‥
ここはこんなに静かだったかな‥‥
ベッドに仰向けに眠ると、誰もいない
当たり前の空間に違和感を覚える



