『酒向さんの人気も相変わらずだね。』
次の週
マーケティング内はいつも華やかだけど
女性達が更に磨きをかけてオシャレを
してきているのが目立った
「濱田さん悔しいんですか?」
『はぁ?俺が?そんなわけないでしょ。
俺は至って彼女一筋だから。』
明るめの短い髪をジェルでセットし、
モードカジュアルな装いの濱田さんは
二年先輩で優子の恋人だ。
社内恋愛は禁止ではないものの、
公私があまりにも分けられない場合は
異動させられることもあるらしい
優子はサバサバしてるけど、
濱田さんは優子をとても大切にしてる
のは見ていてよく分かる。
言い換えれば尻にひかれてる‥‥。
『そういう新名こそあの輪に
入りたいと思わないの?』
「はぁ?‥‥入りたくはないですかね。
成瀬さんと関わりたくないですし。」
『ほんとお前達は相変わらずだな。』
世の中に相性が悪い人が数人いると
したら間違いなくその1人は成瀬さんだ
美人で華やかな彼女が、こんな普通で
地味な私の何にライバル意識を燃やして
いるのかなんて知らないけど、きっかけ
は入社した頃に彼女が気に入っていた
先輩に声をかけられた事だと思う
あれも仕事のことだからプライベートな
話ではなかったんだけど、聞く耳持たずな彼女に説明するのも面倒だったのだ。
私よりも今自分の周りにいる人達を
警戒した方がいいのにね。
まぁ、ただ一つ、主任が来てからは、
成瀬さんが自分の仕事は自分でこなす
ようになったことが救いだ。
当たり前のようで当たり前じゃなかった
から、私はようやく自分の仕事に
集中できるようになったしね。
『新名さんと佐藤さん、後で
ミーティングを隣で
しますのでよろしくお願いします。
『「はい」』
集計、分析チーム
企画チーム
WEBサイト、広告チームに分けられて
いるマーケティングチームは、
基本的な4Pである
•product(自社商品、ブランド)
•price (価格)
•place (ウェブ、チャンネル、店舗)
•promotion(販売促進)に基づき
それぞれに分かれて仕事をしている。
酒向主任に変わり、名古屋支店がどう
変わっていくのか楽しみではあるものの、大幅に変わるとなると慣れるまでが
大変にはなりそうだ
『いい機会になりそうだね。』
「そうですね。」
主任でもあり、上司でもあり
異性の友達1号でもある酒向さんとは
あれ以来この1週間は特別何もない



