拾いました。

再び眠りにつこうとする男を起こすべく、肩に手を伸ばした瞬間。

ぐいっ


「……」

「わきゃあ?!」


ぎゅうう……っ

無言のまま腕を引っ張られバランスを崩し、男の胸に飛び込む形になってしまう。いや、正確には胸板に飛び込んだ。


「ちょ…っ?! は、はい?! 何、何! どうしたんですか?!」


いきなり腕を引っ張られ、いきなり抱きしめられているわ、訳が分からない。


「――――っいい加減にし「逢いたかった」


……へ?


「ずっとずっと…、逢いたかった……華留……」


呼 び す て ? !

違う違う。大事なのはそこじゃなくて、この状況! この状態! 何で、私! 真っ裸の男に抱きしめられてるのですか?!

ぎゅうううう——っ

なるほど、離す気はないのですね。