拾いました。

ほわ

胸が温かくなる感覚。くそう、嬉しいじゃないか。


「……心配、したんだよ?」


素直に許すのは、悔しいから。


「ごめんね……」


少し、いじわるするんだ。

ぷいっ

緋刻の言葉を、聞こえない振りして。そっぽを向く。


「華留……怒って、る?」


そう言って、少し涙目になっている緋刻の可愛さは、普通の人なら襲いかかる勢いのものでした。


「……うそ。ごめん、いじわるし過ぎたね。けど、本当に心配したんだから。もう、何も言わないでいなくならないでね?」


くすくすと笑いながら言うと、緋刻も驚きの表情から優しい笑顔になった。


「うん、約束する……」

「じゃあ、仕切り直しだね! 買い物に行こう、緋刻!」


「あ、ちょっと待って……」


きゅ

繋がれた指は緋刻の指と絡まり、直接温もりが伝わる。


「はぐれないように……、だめ?」

「……っ、き、今日だけなら」


そう言うと、ぱあっと明るくなり私の先を進もうとするが『迷子になるから横をあるきなさい』と言えば、ゆっくりと歩き出した。


「ねえ、緋刻」


間の空いた返事で聞き返されて。


「お花、ありがとね」


その言葉だけ言って、つかつかと先を行く。緋刻は、笑っている気がした。恥ずかしくて、絶対に見れないけれど。