拾いました。

「あ、あれ?」


おかしいな。足に力入らないばかりではなく。身体までもが、言うことをきかない。


「華留ちゃん、なした? ……もしかして、腰抜けちゃったの?」

「ははは、そうみたい。お恥ずかしい限りです」


格好悪いなあ、もう。迷子になったあげく、安心した直後に腰抜けるって。そんなんはどっかの少女漫画のヒロインだけで十分なのに。

そんな私を黙って見ていたかと思うと、隣にすっとしゃがみ。


「華留ちゃん、暫くの間ちょっと我慢しててね」

「何する気で、うきゃあ?!」


ひょいっ

地面から足が離れ、体が宙に浮く感覚。俗にいう“お姫様だっこ”の格好で、騒ぐ私に言った。


「はいはーい、だから我慢してって言ったでしょ? それに華留ちゃんは立てないんだから、大人しく言うこと聞きなさい」


ね。と言われ、返す言葉も見つからず。本当に腰が抜けているようで、普通ならばたばたと暴れるだろうが、その抵抗すら出来ない。かなり恥ずかしい状況だが、素直に言うことを聞くことにした。


「……はい」

「うむ、よろしいです」


その先生のような口調とは反対に、人懐っこい笑顔を見て。信用しきったのは、言うまでもない。