拾いました。

そして今に至るわけです。


「ここ、どこー?!」


周りは全く見覚えのない場所。いかつい顔のお兄さんたちが、ちらほら見えております。通りすがる度、にじろじろと見られ。恐怖心と不安が、爆発しそうです。

緋刻は、どこへ行ったのか。早く見つけなくちゃ。きっと、緋刻も私を捜しているはずだもの。

恐い。

お兄さんたちはもちろんだが、この暗い雰囲気にも飲み込まれてしまいそう。不安で押し潰されそうな私に、突然。


「そこの君、ひとりなの?」


後ろから、誰かが声を掛けた。恐る恐る振り返ると。見た目は私と同い年位の男の人が、優しい笑みを浮かべて立っていた。


「こんな所に女の子が一人でうろついてたら、危ない人に連れていかれちゃうよ?」

「あ、あの……私」


おろおろとしてしまう。

恐い。親切にしてくれているのは有り難いが、そうしているのは最初だけで、変な所へ連れ込むんじゃないか。自意識過剰だとしても、今の私には、広くものを考える余裕がない、


「大丈夫だって! 『変な所へ連れ込む』とか、そんなことしないから」


ばっと顔を上げ、その人を見る。何で、私の思ったこと。


「分かるのって?」


びくっと身体が跳ねる。


「全部、声に出てたからだよ?」


——へ。間抜けすぎる自分に、開いた口が塞がらず、目が点に。


「あははは! 君、面白いね!」


ぽかんとする私をよそに、笑い続けるその人。


「気に入った。君、名前は?」


悪い人ではない、はず。良いかな、言っても。


「桐山 華留、です」

「ん、華留ちゃんね。俺の名前は、遠山淕邪(とおやま りくや)。よろしく!」


にこっ

あ、この笑い方。緋刻と似てる。緋刻の面影を見た私は、少し安心して気が抜けたのか、気が付くとその場にすとん、と座り込んでいた。