拾いました。

「……で。華留、その男は誰なんだ? ん? 答えなさい」

「……」

「昨日、その人家に居たか? ん? 答えなさい」

「……」

「それに何故だ、何故お父さんに紹介しないんだ。ん? 答えなさい」

「……」

「なあ、華留。お願いだから答えてくれよおおおおおおおおお!! 泣いちゃうよ?! ねえ、お父さん泣いちゃうよ?!」

「……」

「お母さああああああん! 華留が答えてくれないいいいい! 遅れた反抗期だよおおお!!」

「はいはい。よーしよしよし、泣かないで下さいね? 目の前の華留と彼が、驚いてますから。ね?」


見ての通りでございますが、家族会議中です。

現在行われているのは。お父さんの癇癪をなだめるために、頭を撫でるお母さんの図。それに、話すのが嫌な訳じゃないし、反抗期でもない。ただ。

ちらり

隣に居る、この男。緋刻をどう説明すれば良いのか分からないから、答えられないのだ。


「あ、緋刻」

「?」


ちょいちょい

耳を寄せるように手招きし、小さな声で話す。


「あのね、今から多分色々と聞かれると思うんだ。でも、全部黙っていて欲しいの。私が答えるから」


きょとんとしていた緋刻だが、一呼吸置いてから


「分かった、静かにしてる…」


納得してくれたようだ。


「ありがとう」

「——っ!」


そう言って、私が軽く笑うのを見ると、緋刻は下を向いたまま黙ってしまった。

私、何か変なことしたのかな。まあ、いっか。