「何かあった?今どこ?迎えに行くから待っていて」
いつもなら迎えに来るなんて王子様みたいだなんて思うけど、今日は早く来て欲しくて早くあの人に会いたくて、本気だった。
電車で寝過ごしたこと、どこの駅か分からないけど終点にいることを伝えた。幸運なことにあの人の家から30分ほどで着く場所にいるらしい。少しほっとした私はスマホで時間を確認してびっくりした。補導の時間をとっくに過ぎていて12時近くになろうとしていた。家から出て3時間も経っていた。このまま駅のホームにいては駅員さんに注意されて家出したと分かられたら最悪警察に補導されるかもしれない。あの人からも、危ないから着くまでは近くの明るいファミレスかコンビニに入っといてと言われた私は人が多いファミレスよりはと思い、コンビニに入り飲み物を買った。温かいココアが冷えきった手とお腹を温めてくれて少しだけ緊張感が緩んだ。こんな夜遅くに未成年が出歩くなど絶対ダメだと親から厳しく言われていた私にとっては少しスリルのある夜だった。
温かいペットボトルで暖をとっていた時、スマホが通知で揺れた。
「もうすぐ駅の近くの○○っていうファミレスに着くからそこで待ってて。」
ココアで落ち着いていた私の心臓が早鐘のように鳴り出した。
思えば、顔も見た事のないあの人と初めて会うのにこんな部屋着で、涙で腫れた顔と走った時にボサボサになった髪のままだ。スマホの内カメで絡まった髪をほぐしながら確認して何とか涙のあとも拭いて、コンビニで買ったマスクをつけて目元は前髪で隠して深くフードを被った。暗い夜でもなるべくこんな顔は見られたくない。再度通知がきて、
「もう着く。迎えに行くから服装教えて」
いつもなら迎えに来るなんて王子様みたいだなんて思うけど、今日は早く来て欲しくて早くあの人に会いたくて、本気だった。
電車で寝過ごしたこと、どこの駅か分からないけど終点にいることを伝えた。幸運なことにあの人の家から30分ほどで着く場所にいるらしい。少しほっとした私はスマホで時間を確認してびっくりした。補導の時間をとっくに過ぎていて12時近くになろうとしていた。家から出て3時間も経っていた。このまま駅のホームにいては駅員さんに注意されて家出したと分かられたら最悪警察に補導されるかもしれない。あの人からも、危ないから着くまでは近くの明るいファミレスかコンビニに入っといてと言われた私は人が多いファミレスよりはと思い、コンビニに入り飲み物を買った。温かいココアが冷えきった手とお腹を温めてくれて少しだけ緊張感が緩んだ。こんな夜遅くに未成年が出歩くなど絶対ダメだと親から厳しく言われていた私にとっては少しスリルのある夜だった。
温かいペットボトルで暖をとっていた時、スマホが通知で揺れた。
「もうすぐ駅の近くの○○っていうファミレスに着くからそこで待ってて。」
ココアで落ち着いていた私の心臓が早鐘のように鳴り出した。
思えば、顔も見た事のないあの人と初めて会うのにこんな部屋着で、涙で腫れた顔と走った時にボサボサになった髪のままだ。スマホの内カメで絡まった髪をほぐしながら確認して何とか涙のあとも拭いて、コンビニで買ったマスクをつけて目元は前髪で隠して深くフードを被った。暗い夜でもなるべくこんな顔は見られたくない。再度通知がきて、
「もう着く。迎えに行くから服装教えて」
