ラブソードから     「ノリオくんのクリスマス」

 沢山の野菜や果物を袋に詰め宝船にに乗せます。
 準備をし日が暮れると、ノリオくん達も七福神同様プレゼント配りに協力するため、宝船に乗り込みました。

「面舵いっぱい」

「ヨーソロー」

 元気の良い掛け声とともに、子供達が多くいる、江戸の町に向かいました。
 
 
 その頃江戸のお城の天守閣では、ラブソードの件で知り合ったとっても偉いお殿様と、小さくて可愛いお姫様が月を眺めていました。
 殿様は姫の手に自らの手を添え、月を見上げつぶやきます。

「もう今年も終わりに近づいたが、よは幸せな一年であった」

「はい。こうして殿と寄り添っていられるのも、ノリオ少年に出会ってこそ」

「うむ。幼いながら人の為を考える、まことに立派な者達であったの」

 お付きの者も少し離れた場所に座り、まったくだっと、笑顔で頷いています。

 ヒュルルルルー

 お姫様に背後から小さな風が吹くと、城下の町並みに消えていきました。
 誘われるかのように見て気づくと、殿様に声をかけます。

「町の民も、年末を楽しんでいるのでしょうか」

「うむ、大丈夫であろう。今年も年々通り年貢もおさめておるし、潤っているのじゃろう。何故だか農家を次ぐ若者が減ったようじゃが、その分外国から輸入しているから、食べるものには困らん安心じゃ」

 お姫様は灯りの乏しい町並みを見て、少し心配になっていました。

「そうだと良いのですが」