ラブソードから     「ノリオくんのクリスマス」

「うっわー雪だ」

 驚くノリオくん達の向こうでは、大きな地響きにも似た音が響きます。

 ドーーーーーン。ガラガラガラー

 雲の上には黄色の鬼に似た神が太鼓を鳴らしています。
 のっぺらぼうが驚きながら声を出します。

「雷神様」

 雷神は背中から円を描くように並ぶ太鼓を叩くと、空には雷が流れぶつかり合い、大きな火花を放ちます。
 町民がそれをみて完成をあげました。

「花火だ。まるで花火のように綺麗だ」

「天が私達に贈り物をしてくれている様だわ」

「来年こそは良い年になるぞ」

 喜ぶ大人達を他所に、子供達は本能的にヘソに手を当て隠しました。

「It’s incredible!」

 流暢な言葉にノリオくんが視線を向けると、声に出したのはサンタではなく、その隣で眺める狸でした。
 サンタは驚きのあまり言葉が出ないようです。

 弁財天は琵琶を鳴らし町民を意識させます。