一輪のバラード


わたしはマロのご飯を用意し、水と一緒にゲージの中に並べた。

すると、マロは姿勢を下げながら、恐る恐るゲージの中に入り、ご飯のニオイをクンクン嗅いでいた。

そして、"食べてもいいの?"とでも言うような表情でわたしの方を見た。

「マロのご飯だよ。食べていいんだよ。」

わたしはマロのそばでそう声を掛けた。

マロは戸惑いながらも再びご飯のニオイを嗅ぎ、そしてそっとご飯を食べ始めてくれた。

良かった!
初日からご飯を食べてくれた!

わたしは絃士さんと顔を見合わせ、マロがご飯を食べてくれたことを喜び合った。

そのあと、マロはお漏らしをすることなく、ちゃんとゲージ内のペットシートの上でトイレを済ませてくれた。

トイレを済ませると、"これで良かったのか?"と不安気な表情でこちらを見るので、わたしは「マロ!偉いね!ちゃんとトイレ出来るんだねぇ!いい子だよ〜!」と大袈裟という程に褒めてあげた。

きっと、トイレを失敗したら怖い目に合わされていたんだ。

だから、何をするにも人の目を気にするマロ。

マロ、そんな怖い記憶が無くなる程、愛してあげるからね。

わたしはそう思いながら、マロを撫で回した。