一輪のバラード


自宅に着くと、絃士さんは早速ゲージを組み立ててくれた。

わたしは籠からマロを抱き上げ、ソファーの上に座り、マロの様子を窺った。

マロは尻尾を下げ、緊張した様子でソファーのニオイを嗅いでいた。

そして、マロの右後ろ足は確かになくて、虐待を受けて失ったんだろうなぁ、というような無くなり方だった。

「マロ、部屋散歩しといで〜。」

そう言って、ソファーから下ろしたが、マロはわたしの足元に座り、歩こうとしなかった。

「1人じゃ怖い?じゃあ、わたしが家の中を案内してあげるね!」

そう言い、わたしはマロを抱き上げると、「ここはキッチンだよ〜。ここでマロのご飯の準備もするからね。」と言ったり、寝室に連れて行っては、「今日からここで一緒に寝ようね!」と出来るだけ明るい声でマロに話し掛けるようにした。

「そろそろ、ご飯の時間ですね。僕らは何か出前でも頼みましょうか。」
「そうですね。マロもお腹空いたよね。今ご飯の様子するね!」

そう言って、一度マロを床に下ろし、わたしはキッチンへと向かった。

すると、マロは3本の足でぎこちなくわたしの後ろをついてきて、ご飯を用意するわたしのすぐそばでお座りをし、わたしを見上げていた。

わたしの後ろをついて来るなんて、、、

マロの行動にわたしはマルと一緒だなぁ、と思いながら心の中でマルを感じていた。