それからわたしは、絃士さんの自宅にある内の一部屋を借り、絃士さんのお宅で生活をしながら心の整理をしていった。
ただ居るだけでは申し訳ないので、部屋の掃除をしたり、料理は得意とは言えないが、夜は夕飯を作ったりもした。
「ただいま帰りました。」
そう言って19時頃に帰宅した絃士さん。
「おかえりなさい。」
「良い匂いですね。今日は何ですか?」
「今日は、ハヤシライスです。」
「おぉ、いいですね。」
絃士さんはキッチンへやってくると、わたしが調理しているところを眺めていた。
「え、何ですか?」
「いえ、ひかりさんがうちで料理をして待っていてくれるなんて、最高だなぁ〜と思いまして。」
「いやいや、ハヤシライスなんて誰でも作れますし、わたしはそんな手の込んだ料理なんて作れないですから。」
「そうゆうことじゃないんですよ?ひかりさんは鈍いなぁ。」
「に、鈍い?」
絃士さんは笑うと、「着替えて来ますね。」と言い、寝室へと向かって行った。
鈍い、、、わたしって、鈍いの?
そう思いながら、わたしは棚からお皿を出し、ハヤシライスが食べられるよう準備を進めていった。



