「わたし、、、後悔してるんです、、、。マルが朝から元気が無かったのを分かってたのに、、、絃士さんが"会議はなんとかなるから、帰って病院に連れて行ってあげてください"って言ってくれたのに、、、わたしは仕事を優先して、マルを1人で旅立たせてしまったんです、、、。あの時、絃士さんの言葉に甘えておけば良かったって、、、自分を責めて、、、」
「ひかりさん。ひかりさんは、自分を責める必要はないですよ?マルちゃんは、充分な程にひかりさんから愛情を注がれて、犬生を全うしたと思います。だから、あんな優しい表情をしていたんだと、僕は思います。」
絃士さんの言葉に更に涙が溢れ、ボロボロと頬から涙が滴り落ちてくる。
絃士さんはティッシュの箱に手を伸ばすと、わたしに差し出し、わたしは数枚のティッシュを引き出すと止まらない涙を拭った。
「マルはわたしの唯一の家族でした、、、でも、マルが居なくなってしまって、、、わたし、どうしたらいいか、、、」
「マルちゃんは居なくなったりしていないですよ?」
「えっ?」
「ひかりさんがマルちゃんのことを想い続けている限り、姿は見えなくても、ひかりさんの心の中でマルちゃんは生き続けています。ずっと、一緒にいるんですよ?」
わたしは「マル、、、」とマルが元気だった時の姿を思い浮かべ、絃士さんに泣きついた。
絃士さんはわたしを優しく包み込んでくれて、「ツライですね、、、」と言いながら、わたしの背中を撫でてくれた。
マルは、わたしがマルを想い続けている限り、わたしの中で生き続けている、、、
わたしがマルを忘れることなんて無い。
だから、マルはずっと一緒、、、
わたしは自分の心を触るように胸に手を当てると、マルを感じようとしたのだった。



