一輪のバラード


シャワーを浴び終わり、浴室のドアを開けても、いつも伏せをして待っていてくれていたマルの姿はなかった。

わたしが移動する度に後ろをついて歩いて来たのに、後ろを振り返ってもマルは居ない。

寝る準備をする為に歯磨きをしていても、横でお座りをしてわたしを見上げて待つマルも居ない。

いつもなら「マル、寝るよ!」と声を掛けるのだが、その声を掛けるマルは居なくて、わたしはマルの写真の前まで行くと、「マル、おやすみ。」と言った。

寝室に行くと、いつも先にベッドの上で待っているマルの姿はなく、ベッドに上がり布団に入っても、わたしの横に入り込んで来て、わたしにおやすみのキスをしてくれるマルは居ない。

布団の中がひんやりと冷たい。

マルが居れば、温かいのに、、、

わたしの心と身体がマルの温もりを求めていた。

マル、、、マル、、、

わたしは居るはずのないマルを抱きしめるように、身体を屈め、涙を流しながら泣き疲れて、眠りについたのだった。

夢の中にはマルが出てきてくれて、わたしはマルを抱きしめ、ピコピコ鳴るボールを投げてマルと遊んだ。

このまま、、、
このまま目が覚めなければいいのに、、、