「ひかりさん、心の整理の為に数日休んでください。忌引休暇にしておきますから。」
「え、でも、、、忌引休暇って、、、」
「マルちゃんは、ひかりさんの大切な家族でしょう?僕は社長ですよ?僕が良いと言ったら、良いんです。」
絃士さんはわざと自慢気にそう言うと、わたしを少しでも元気づけようとしてくれた。
「ありがとうございます。」
そして、絃士さんは「それでは、僕は仕事に戻ります。何かあったら、連絡くださいね。」と言い、仕事へ戻って行った。
1人になったこの家で、わたしはソファーに腰を下ろした。
しかし、いつもならソファーに座れば膝の上に乗ってくるマルは居ない。
わたしの心には、ポッカリと大きな穴が開き、それを埋められそうなものは無かった。
ソファーに座り、ボーッとしていると、気が付けば部屋は真っ暗になっていて、既に時刻は19時を回っていた。
わたしはそんな長い間、ぼんやりしていたんだ。
泣き過ぎで顔が浮腫んでいるのがわかる。
食欲もないし、お風呂でも入ろう。
そう思い、わたしはシャワーを浴びに行ったのだが、ふと浴室のドアの擦りガラスの方に視線を移すと、当たり前なのだが、いつも洗面所で待つマルの姿はない。
マル、、、何で居ないの?



