一輪のバラード


業者の人は一礼すると、マルが寝かせられた火葬台を押して中に入れ、手を合わせてから鉄のドアをゆっくりと閉めた。

「マル、、、うぅっ、、、マル、ありがとう、、、。」

そう言いながら、わたしは手を合わせた。

そして、ふと横を見ると絃士さんも涙を流しながら手を合わせてくれていた。

「絃士さん、、、。」
「すいません、ひかりさんの気持ちを考えたら、泣けてきてしまって、、、。マルちゃんのことを凄く大切していたのを知っていたので。」

そう言いながら、絃士さんは涙を拭いていた。

業者の人は、「火葬は2時間程かかりますので、ご自宅でお待ちください。終わりましたら、骨つぼに納めてお連れしますので。」と言った。

それからわたしは絃士さんと共にマルが帰ってくるのを待った。

わたしは、テレビ台の横にある棚の一部にスペースをつくり、そこにわたしが一番お気に入りのマルの写真を写真立てに入れて飾り、マルが大好きだったピコピコ鳴るボールとササミジャーキー、水を一緒に供えた。

そして、マルは2時間後、白い骨つぼに入り、小さくなってわたしの元に帰ってきた。

「ありがとうございました。」

わたしは業者の人にお礼を言うと、小さくなったマルを飾った写真立ての横に座らせた。

マルの写真を見ると、どうしても涙が出てきてしまう。

絃士さんは、マルの仏壇変わりのスペース前に佇むわたしの隣に来ると、わたしの肩を抱き、マルの写真を見ては「良い写真ですね。」と言った。