「おはようございます。」
「おはようございます、、、すみません、こんな泣き腫らした酷い顔で。」
「そんなこと気にしないでください。」
絃士さんはわたしと共に居間に移動し、マルのそばに歩み寄ると座り込んで、マルの頭を撫でてくれた。
「マルちゃん。君は、ひかりさんにとても愛されていたんだよ。それは僕が言わなくても、マルちゃんが一番感じていたことだよね。こんな優しい顔をして眠っているのは、ひかりさんに愛されていた証ですね。」
絃士さんの言葉にわたしは両手で口を覆いながら、涙を堪えた。
しかし、堪えても涙は溢れ出してくる。
それから13時少し前に出張火葬の業者の人がやって来た。
わたしはマルを抱きかかえると、最後にギューッと抱きしめ、声を出して泣いた。
もうマルを抱きしめることが出来るのは、これが最後なんだ。
「マル、、、ありがとう。マル、大好きだよ。大好きだよ、、、」
わたしは絃士さんに肩を抱かれながら、マルを抱きかかえ、外に出て行った。
そして、マンション前に停まっている出張火葬の車のところまでマルを連れて行く。
既に準備が整っていた火葬場所で、業者の人は「最後のお別れが済んだら、ここに寝かせてあげてください。」と言った。
わたしはマルを抱きしめ、何度もマルの名前を呼んだ。
マルと離れたくない。
まだ一緒に居られると思ったのに、、、
マルを手放したく無かったが、わたしは心を決め、マルを火葬台の上に寝かせると、業者の人に「お願いします。」と言った。



