一輪のバラード


わたしはそのあと、マルが我が家に来たばかりの頃に買った犬用のクッション性のあるベッドを出してきた。

わたしのベッドで一緒に寝ていたから、ほとんど使うことがなかったんだよね。

そう思いながら、その犬用のベッドに保冷剤を敷き詰め、その上にタオルを敷いてマルを寝かせた。

マルは、本当に眠っているだけのようで名前を呼べば、起きてくれるんじゃないかと思う程だった。

わたしはマルにタオルをかけてあげると、マルが大好きだったササミジャーキーとよく遊んだピコピコ鳴るボールをそばに置いてあげた。

「マル、、、」

マルの姿を見ては涙が溢れてきて、まだマルが永遠の眠りについてしまったことが信じられず、受け入れることが出来なかった。

すると、わたしのスマホが鳴った。

わたしはバッグからスマホを取り出す。

着信の相手は、絃士さんだった。

「、、、はい、もしもし。」
「ひかりさん?絃士です。マルちゃんは大丈夫でしたか?病院に連れて行けましたか?」

絃士さんの言葉にわたしは涙が溢れ、声に出して泣いてしまい、何も答えることが出来なかった。

わたしの様子に察した絃士さんは、「ひかりさん。仕事が終わったら、マルちゃんに会いに行ってもいいですか?」と言ってくれた。

わたしは涙声で「はい、、、会いに来てあげてください。」と答えた。