次の日、わたしは出社すると、社長室にあるわたしのデスクに座り、パソコンと向き合っていた。
明日は大事な会議があるので、その資料の作成をしていたのだ。
すると、絃士さんの視線を感じ、何気なくふと横を向いた。
絃士さんはデスクに片手で頬杖をつきながら、こちらを向いていた。
「何かありましたか?」
わたしがそう訊くと、絃士さんは「、、、颯と何かありましたか?」と訊いてきた。
「えっ、、、!」
「その反応は何かあったんですね。」
そう言って、絃士さんは優しく微笑んだ。
「な、何でそんなこと訊くんですか?」
「昨日の夜、颯からLINEがきたんです。"ひかりさんは渡さない"って。」
絃士さんの言葉に黙り込むわたし。
絃士さんは「それで、僕は送り返してやりました。"俺も渡す気はないから"って。」と言い、わたしを真っ直ぐに見つめた。
絃士さんの言葉とその真っ直ぐな瞳に、わたしはドキッとしてしまった。
2人きりの社長室に何とも言えない不思議な空気が漂う。
絃士さんはニコッと笑うと、「業務の邪魔をして申し訳ありませんでした。どうぞ、続けてください。」と言い、自分のデスクの方に身体を向き直した。
え、、、これ、どうゆう状況?
渡さないって、何?
そう思いながらも、ダメだ!今は勤務中だ!と自分に言い聞かせ、わたしは再びパソコンへと向かい合った。



