一輪のバラード


「マルー!!」

わたしは自宅玄関のドアを開けると、マルの名前を叫んだ。

マルはいつも通り玄関先でわたしを待っていてくれて、尻尾が千切れてしまいそうな程に尻尾を振り、わたしに飛びかかってきた。

「マル、どうしよ。颯さんにキスされちゃった。」

そう言いながら、わたしがしゃがみ込むと、マルはわたしの口を舐め回し愛情表現をする。

「ん~~、これでマルに上書きされた!あのキスは無し無し!」

そう言いながらもさっきの颯さんの唇の感触、颯さんの少し恥ずかしそう微笑みが忘れられず、わたしはドキドキしていた。

どうしよう、、、
次、颯さんにもし会うことがあったら、どんな顔をして会えばいいか分からない。

わたしはそんなことを思いながら、マルを抱っこして居間まで行くと、マルのご飯の準備を始めた。

「マル〜、今日も絃士さんからいただいたご飯だよ〜。あとでジャーキーもあげるからね。」

そう言って、マルにご飯を食べさせると、わたしはシャワーを浴びに行った。

シャワーを浴びながら、わたしは思った。

颯さんは、何でわたしにキスをしたの?

別に好きだなんて言われたわけじゃないのに、、、

ついついボーッとしてしまい、いつもより長くシャワーを浴びてしまったわたしを、マルは洗面所で伏せをして待ち続けてくれていた。