「「えー!!!樋井さんの秘書?!」」
芽衣子と桃華が声を揃えて叫ぶように言う。
「うん、、、秘書にならないかって、お誘いを受けてて。お受けすることにした。」
「あのアイネスの社長の秘書?!ヤバっ!!」
そう言う芽衣子のそばで、桃華が「ひかりばっかりズルい!!!光平さんとデートしたり、樋井さんの秘書になったり!!!」と文句タラタラだった。
「いや、颯さんとはデートじゃなくて、ただご飯に行っただけだから。」
「それをデートって言うんでしょ?!しかも、下の名前で呼んでるし!!!」
桃華があまりにも大声で騒ぐので、課長から「山根、静かにしろ!」と注意を受けていた。
「給料の締め日が2週間後だから、その日で退職になった。あと2週間だけど、それまでは宜しくね。」
わたしがそう言うと、芽衣子は「ひかりが居なくなっちゃうなんて寂しくなるなぁ。社長秘書って大変そうだけど、頑張ってね。」と言ってくれた。
一方の桃華は相変わらず不機嫌で「ズルい!」ばかり連呼していた。
わたしはその2週間で、自分が担当していた業務を芽衣子と桃華に引き継ぎをし、少しずつ自分のデスク周りを片付けていく。
退職が決まったと樋井さんに報告した時には、「退職してすぐ勤務は大変でしょうから、1週間マルちゃんとのんびりしてから、我が社に来てください。お待ちしていますよ。」と言ってくれた。
今までの会社は私服OKだったが、社長秘書ともなればそうもいかない。
わたしは、パンツスタイルとタイトなスカートスタイルのスーツを用意し、あっという間に退職日を迎えたのだった。



