素顔を隠す彼との恋。

「はい、とうちゃーく!!」



いい天気と言いたいところだけど、雲いっぱいの空に風がびゅーびゅー吹いている。

とりあえず、空いてるベンチを見つけて2人で座る。



「ちょっと風強いねー」


って風に遊ばれている髪を押さえながら、隣を見てみると


そこには全然動かない前髪が。


名雲くんの前髪だけ時が止まってるんじゃないかってくらい。



「前髪がっちがちだね……」


「あー固めてるからな」


「ふーん、なんで顔見せないの?」



名雲くんのパンの袋を開ける手が止まる。



あ、デリカシーなかったかも…。



「いやっ答えたくなければ、答えなくて全然大丈夫なんですケド」


「ははっそんな慌てなくても。……俺の顔がイケメンすぎるから隠してるだけ」


「なにそれ!ほんとかなー」



名雲くんが笑ってくれて、ちょっとほっとした。危ない危ない…。


お互いに黙々と食べすすめる。



ちらっ。

名雲くんマスクの下から食べてる……。

かわいいな。




「丸山ってさ、イケメン好き?」


「ブッ……急にどうしたの!?」



ごほっごほっ。

驚いてむせてしまう。


見てたのがバレたのかと思ったぁ…。


ひー、ふーと深呼吸してから名雲くんに向き合う。



「質問の答えだけどね、イケメンがあんまわかんないの」


「わかんないの?」


「そう。芸能人とか友達がイケメンって言ってる人はイケメンなんだろうなぁって感じ」


「へぇ……-------かも。」



ぼそっと何かを言ってた気がするけど、気のせいかな?

真剣な顔で何か考えてる名雲くん。